フジフイルムのX-T5。発売と同時に購入したので半年目に入りました。レビューでは無いですが、周りにごたく話せる人もいないので(フジを使ってる人がいない)、約半年FUJIFILM X-T5を使ってみての感想を書きたいと思います。
ところでX Summit 2023が5月24日にバンコクから行われるそうですね。
X Summitの一般開放イベントとかあるなら少し行ってみたいですが。タイはカメラショップやカメラフェアに行ってもけっこう富士フイルムが力を入れてるように感じます(ソニーやキャノンと比べてもほぼメインの一角と言っていい規模です)。僕がいるようなライブハウスなど限定的な場所でもたまに見るので実際使ってる人も少なくはないように感じます。ただ圧倒的にソニーが人気なのは間違いないです。野鳥撮影でもタイでは7,8割方みなさんソニーを使ってますので。
<X-E4からX-T5に乗り換えてみて>
それまでFUJIFILM X-E4を使っていてタイのカメラフェアで発表と同時に発売されたX-T5をスペックなどもほとんど確認せず触った感触で突発的に購入してX-E4から乗り換えたわけですが、結果的には今現在のカメラ生活を考えると乗り換えて良かったのかなと思ってます。ボディが大きくなった事でとりあえずカメラも持って外に出掛けるという機会は大分減りましたが、僕のメインの野鳥撮影とライブハウスでのライブ写真の撮影。特に野鳥撮影ではX-T5でようやくまともにフジのカメラでも野鳥の飛翔写真が撮れるようになったと感じています。
良かった点
1.AF性能が大幅に向上
もうこの一点に尽きるわけですが、第四世代のX-E4なんかから第五世代のX-T5は大幅にAF性能が向上しました。野鳥撮影では被写体認識「鳥」が機能として備わったのはかなり大きいです。また人物撮影なんかでも瞳AFの効きが悪くないので撮られた側の満足度が今までのフジのカメラとでは相当違うと思います。
2.RAWでプリ撮影
これは確かX-E4でも出来たはずだけどフジのプリ撮影はなかなか強力です。カワセミなんかの撮影では飛び立つ瞬間が前戻りで1秒前から過去の瞬間を写真に収めることが出来ます。しかもRAWデータでも撮影できる点は大きなポイントです。
3.4020万画素
X-E4なんかの第四世代の2610万画素からX-T5は4020万画素へ高画素化しました。野鳥撮影では超望遠域のレンズを使っても被写体の鳥を大きくする為にトリミング&トリミングの連続なので、高画素機は野鳥撮影では大きなストロングポイントでもあります。
4. 防塵防滴構造
これは前モデルのX-T4でも備わってる事ですが、X-E4は防塵防滴構造が備わってません。勢いもあるけど僕がカメラを買い替えようと思った理由の一つがこれで、X-E4でライブハウスで撮影してた時にカメラごとビールが掛かってしまった事があります。パンクやハードコアのライブはまー激しいので。実際どこまで防滴効果があるのかはわからないけど、やっぱりあると安心して撮影に臨めます。
5.連写撮影
僕が飛翔撮影で一番多様するメカシャッターで秒間15コマ連続撮影が可能(電子シャッターだとクロップ無しで13コマ)。僕の感覚だけど連写は11コマ以上あるカメラだと野鳥の飛翔撮影では大満足とはいかないですが、まー納得という感じです。
6.デジタルズーム撮影
X-T5にはカメラ本体にデジタルテレコン機能が付いててx1.4倍、x2倍の撮影ができます。JPEG撮影のみの機能だけど僕はRAW撮影の時に遠くで被写体検出「鳥」が捉え切れない時にデジタルズームで拡大して鳥を検出させて撮影をしてます。単に拡大というよりカメラ本体はセンサー上に見えてるものに対してAFが機能してるのかなと勝手に考えてます。あまりJPEGオンリーでの撮影を僕はしないですが、デジタルズーム機能はカメラの機能としてあって損は無いです。
悪かった点
1.連写スイッチの配置場所
ほぼ野鳥撮影に全振りしてるからというのもあると思いますが、連写撮影と単発撮影の切り替えが左手側のダイヤルでしかできません。なので撮影中に右手だけで操作を完結させる事がどうしても出来ません。せめてカスタムボタンで切り替えが登録できるようにぐらいはして欲しかったです。僕個人で言うとここが一番のウィークポイントです。
2.ノイズ
高画素機は写真にノイズが乗りやすいと言いますが、確かにノイズは出ます。他の方のレビューなんかで「X-T5はノイズに強い」と書かれてる方もいますが、それは比較的明るい時間帯のスナップ写真とか引きでの風景写真の事だと思います。野鳥撮影でもライブハウスでの撮影でもどうしてもISOを上げての撮影になってしまいますので、どんなに気を使って調整してもやっぱりX-E4の頃よりかはノイズが乗ります。RAW撮りで現像の段階でLightroomを使ってノイズ処理をするので多少のノイズはダメとまではいかないですが、JPEGでの撮って出しだけにこだわる人なら最初の頃は目をつむれても慣れてきた頃に不満が出てしまうかも知れません。
3.ボディサイズ
前モデルのX-T4を使ってた人からすると小さくなったとなるんでしょうが、X-E4を使ってた僕からすると半年近く経った今でもやっぱりカメラがデカいです。ちょっと街行くぐらいの時は完全にカメラを持っていかなくなりました。ライブハウスでも必ず人とはぶつかるので、X-T5にしてからは撮る気が無い時はカメラを持っていかなくなりました。カメラは重さ以上に大きさがやっぱり行動範囲に影響してくるとは思います。
4.連写での連続撮影可能枚数
正直、僕の野鳥撮影での撮り方では今のところ困ったことは無いですが、野鳥撮影におけるX-T5最大のウィークポイントと言ったらRAWの連写での連続撮影可能枚数の少なさじゃないでしょうか。メカシャッターでRAWだと19枚、ロスレス圧縮RAWにしても22枚しか連続で撮ることができません。これは同じフジの第五世代のX-H2やX-H2sと比べても極端に少ない数です。撮影用途によってはこの点でX-H2を選ばれる人もいるかも知れません。
と、こんなとこですが。もう少し別の視点でも下記に感想書きます。
【あの時に戻れるなら】
X-T5を使って半年近く経ちましたが、もし今、半年前に戻れてそれでもX-T5を買うかどうかとしたら、それでもX-T5を買うと思います。X-T5のAF性能じゃ無かったらフジでの野鳥撮影に限界を感じて、場合によっては野鳥撮影そのものを辞めてたかも知れないので。それと高画素での描写に慣れてしまうとやっぱり2610万画素には戻れないというのもあります。
【他メーカーと比べて】
レンズ含めた他メーカーの同等機種(特に価格帯)だとCanon EOS R7とかSony α6600とかになるのかなと思いますが。まったくフジのレンズも何もない状態だったら野鳥撮影だけならEOS R7を選んでるかも知れません。だけどライブハウスでの撮影とか色々含めるとやっぱりX-T5を選んでるじゃないかと思います。やっぱりフジの写真の色味が良いのと、レンズに絞りリングが付いてることや、フジフイルムのカメラの操作感とかデザインは基本嫌いでは無いので。
【フルサイズと比べて】
やっぱりフルサイズの方が写りに関しては上だと思います。ただAPS-C機のX-T5は戦えない事はないなと撮ってて感じてます。構図やセンス、写真の色味で対抗できるだけのベースの写りは十分してくれてるので。ただ唸るほど金があるのなら迷わず他メーカーのフルサイズのフラグシップ機を買ってると思います。そこはもう素直に。ただ連写性能が弱かったり、プリ撮影機能が付いてない中級クラスのフルサイズ機を買うぐらいならX-T5の方が撮れる世界は広がるかなと思います。
【同じ第五世代と比べて】
X-H2やX-H2sと比べて、まず大きさとデザインの好みで僕はX-T5を選ぶと思いますが、価格を考えてもX-T5を選んでると思います。何万円かの差ですがAPS-C機と考えた時X-H2やX-H2sはちょっと高いと思います。またX-H2sについては2616万画素なのと、AFスピードはフジフイルムで一番だそうですが、仮に100キロが105キロで走れてもそこはもうという感じで、、X-T5とX-H2sでのAF差にこだわるぐらいなら僕は最初からフジフイルム以外のカメラを選ぶと思います。
と、こんな感じとなります。
X Summit 2023でX-S20が発表されるんじゃないかと言われていて、画素数は第四世代据置きの2610万画素だけど第五世代のAF機能積んでAFスピードはX-T5やX-H2なんかより速くなるんじゃないかと言われてるようです。トータルではX-T5の方が性能は上かも知れないけど、次から次へと直ぐに新しいのを出すフジフイルムの販売スタンスは好きではありません。X-E4なんかは買って直ぐ生産中止(ディスコン)になりましたし。。ソニーやキャノンみたいにながーく同じ機種を使っていられるようにして欲しいですよね。ほんとここは。
僕は当分FUJIFILM X-T5をメイン機で使っていきます。ここに辿り着くまでにレンズ含めて大分金は使いましたので。
それと・・・X-T5を持ってしてもXF35mm f1.4の単焦点レンズは一度は試してみてほしいなと思います(一応このレンズはX-T5の推奨レンズリストからは外れてます)。これより単純な写りだけなら良いレンズもありますが、やっぱりこのレンズがザ・フジノンレンズという感じで、他のフジ用レンズの良いところ悪いところの指標にもなる中心軸のようなレンズだと思います。
長文になりましたが、FUJIFILM X-T5 半年間使ってみてでした。
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