MONOKIRI 35mm

フジフイルムのカメラを中心にモノ切りブログ

フジの野鳥撮影『超望遠ズームレンズ』

フジフイルムX-T5での野鳥撮影。Tamron 150-500mm F/5-6.7の超望遠ズームレンズを使って丸10カ月が過ぎ。もうすぐ11カ月、そして1年となります。

Tamron 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)

タムロン公式サイトwww.tamron.com


蝶や花、満月の夜は屋上に行って月を撮影したり野鳥撮影だけではないけど、Xマウント用Tamron 150-500mm f5-6.7の超望遠ズームレンズを購入したのは完全に野鳥撮影のため。それと野鳥の飛翔撮影のため。

トンビ

アオショウビン

ハリオハチクイ

タムロン150-500mmでの主な撮影はハリオハチクイ鳥の飛翔撮影。日本で言ったらカワセミ撮影のために選んだレンズだと思ってもらったらわかりやすいかも。日本ほどでは無いけどタイにもカワセミはいるし撮影する機会もあるけど、出会う頻度はアオショウビンなんかのカワセミ科の一種の鳥の方が多い。ハリオハチクイは海外では野鳥撮影での人気被写体の一つで、僕が住んでるところから遠くない場所にもハリオハチクイの撮影スポットがある。なので特にシーズン中はハリオハチクイが僕の野鳥撮影のメイン。

タムロン150-500mmを使ってる理由>
フルサイズ換算750mmの焦点距離とAF性能。飛翔撮影ではどれだけ素早くAFが鳥に合従してくれるかが大事。僕は元々XF50-230mm f4.5-6.7、その後XF70-300mm f4-5.6を使っていて、XF100-400mm f4.5-5.6やXF150-600mm f5.6-8も何度かレンタルして同じ場所でのハリオハチクイ、それにカワセミやトビの撮影もした。結果的にTamron150-500mm f5-6.7がフジの野鳥撮影(特に飛翔撮影)では単純に一番良かった。

過去にハリオハチクイを撮ったレンズだち

XF 70-300mm f4-5.6 R LM OIS WR

フジ純正の望遠端でフルサイズ換算450mmのXF70-300mm f4-5.6。値段も超望遠ズームと考えたらそこまで高くなく、比較的新しいレンズでもあるので最初の野鳥撮影用として購入した人も多いかも知れない。僕もそんな理由で購入した一人。

AF性能はそこそこ良い。XF50-230mmではどう転んでも撮れなかったハリオハチクイの飛翔シーンが初めて撮れたのがこのレンズ。だけど野鳥撮影では焦点距離が圧倒的に足らない。もうそれに尽きる。野鳥撮影では最低でも400mm(換算600mm)は欲しい。それとXF70-300mmは背景がバブルボケ(草木のボケが渦巻状になる)しやすく、写真として残したいと思えるような野鳥写真がほとんど撮れなかった。

もし今、値段含めて400mm(換算600mm)辺りのズームレンズを買うならシグマから出た100-400mm f5-6.3を買う方がXF70-300mmよりかは幸せになれると思う。

▼フジフイルム用SIGMA100-400mm f5-6.3

 

XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR

長らくフジでの野鳥撮影ではこれ一択だったフルサイズ換算600mmのXF100-400mm f4.5-5.6。実際使ってみると非常に評価の難しいレンズ。XF35mm f1.4なんかと同じで、まさにフジライクな写りをする時もあるけど、ほとんどが外れのような写りしかしてくれない。レンズシステムが古くて色々とバランスが安定してないんだと思う。少しでも鳥が遠かったり、日がおちて暗くなると途端に全く解像してない写りをする。

ただAFはフジ純正の超望遠ズームの中では唯一のツインモーターらしく、体感としてフジ純正の中では一番速い感じがする。ただ写りの安定感が無いのと、野鳥撮影では最低400mm(換算600mm)は欲しいと言えど、やっぱり400mmのレンズは一歩短い。フルサイズ機に600mmのレンズを付けるのと、aps-c機に400mmのレンズで換算600mmでは同じ600mmでも意味が違う。それでもたまにXF100-400mmははっとするような良い写りをするので(特に背景のボケ具合は何撮ってもそこそこ綺麗)、タムロン150-500mmを買う時にどっちにしようかと最後まで悩んだレンズ。


ちなみに1.4倍のテレコンバーターも買って試したけど(装着して換算840mmのF8)、フジのテレコンバーターは話にならないと僕は感じた。

 

XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR

フルサイズ換算900mmのフジの超望遠では現時点で最長のXF150-600 f5.6-8。フジの公式サイトでも「野鳥撮影におすすめのズームレンズ」と謳ってるけど、ハリオハチクイやカワセミの飛翔撮影では話にならない。とにかくF値が暗い。F値が暗いからAFも遅い。鷲だコンドルだったらそりゃ撮れるだろう。僕もトンビとタカを撮りに行った時は普通に撮れたよ。それでも昼以降は目に見えてAF性能が悪い。このズームレンズは野鳥撮影では止まりもの専用のレンズだと思う。

それとXF70-300mmのレンズ同様に背景がバブルボケしやすい。XF70-300mmとXF150-600mmは写りの性質がすごい似てると思う(XF100-400mmはバブルボケしない)。勝手なこと言えばフジはXF100-400mm f4.5-5.6の新型で100-450mm f5-5.6(最低でもF6.3)とかを出してほしかった。

 

Tamron 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD

フルサイズ換算750mmのフジフイルム用Tamron150-500mm f5-6.7。僕が今使ってるズームレンズ。写りの解像感は他と比べたら一目瞭然で、AFの合従性能が他のフジの超望遠レンズより良いからだと思う。解像感良く撮れるとトリミング(被写体の鳥を大きく引き伸ばす)もしやすくなる。撮ってて思うのがタムロンレンズは光の陰影が出てくれて実際の解像以上に解像感のある写真に感じさせてくれる。

タムロン150-500mmでのフジの野鳥撮影

僕がハリオハチクイ鳥を撮影してる水辺の場所は、ソニーやキャノン、ニコン等の色々なメーカーのaps-c機やフルサイズ機のカメラで撮影してる人が多く(一眼レフもいる)、顔なじみの人も多いので、同じ場所から大抵のフラグシップ機含むカメラで撮った写真を見た事があるけど、X-T5にTamron150-500mm f5-6.7を使うようになってようやく、よーやく他のメーカーのカメラと同じようにハリオハチクイの飛翔写真と呼べる写真がフジのカメラでも撮れるようになったと思う。

1.他のメーカーと比べて

「おっ!!」と思わされるのは、100-400mm f5-6.3(換算800mm)にOM-1マイクロフォーサーズと、200-600mm f5.6-6.3にα1(たまにα7 IV)のフルサイズ機のこの二機種。400mm f2.8や600mm f4を使ってる人もいるけど、正直写真は「ふーん」という感じ。当然一人一人の腕の違いはあるけど、カメラやレンズの大きさや値段、見た目ほどの差は無いんだなと感じてる。ただAF性能での成功率という部分ではレンズというよりカメラ側のメーカーの違いはあるのかなと。それとマイクロフォーサーズもだけどフジのカメラもタムロン150-500mmのレンズも小さいので、フジを使ったことが無い人には200mmか300mmぐらいのズームレンズに見えるみたいで「そのレンズ何ミリ?」とは、ほんとよく聞かれる。

左下が僕のX-T5にタムロン150-500mm

 

2.望遠端のF値

タムロン150-500mmは望遠端500mmで開放F値がF6.7。F6.7はよっぽどの良い条件じゃないと少し暗い。暗いって事はISO感度を上げてもAFが敏速には動いてくれない。なので僕はハリオハチクイやカワセミなんかの撮影ではズームを470mm(換算700mm)でF6.3、370mm(換算550mm)でF5.6にして少しでもレンズを明るく撮影する事も多い。

3.レンズのAF性能

以前僕はXF50-230mmのレンズを使っていて、その後XF70-300mmのレンズを使った時に感じたことだけど、ベーシックなAF性能はレンズに依存する。だけどレンズの最大限の性能を引き出すにはカメラに依存する。Tamron 150-500mmのレンズはソニー用も出てるけど(最近ニコン用も出た)、レビューなんかを見てるとソニーのカメラ使用では大分AFが速いように感じる(つまりソニーのカメラ自体のAFが速いんだろう)。なのでフジの野鳥撮影で更に制度の高いAFを求めるなら、もうこれはタムロンのレンズ性能ではなく、フジのカメラ性能自体がファームウェアでのアップデートや、いつか登場する最新機種でどうにかしてくれないと難しいんだと思う。

ただ僕の感覚だと、ハリオハチクイの飛翔撮影ではソニーα1で10回に8回ぐらいの成功のところを、X-T5にTamron 150-500mmだと10回に2回ぐらいの成功だと感じている。たった2回ではあるけど、0回ではない。トライの数と忍耐で撮影を続ければフジのカメラでも野鳥の飛翔写真は絶対に撮れるというのが、僕の現時点での納得と、フジの野鳥撮影での落しどころ。この2回の成功もタムロンのレンズにしてようやく訪れたわけで、カメラごと他メーカーに乗り換えようかと悩みに悩んでた当時の僕にとっては、まさにフジの野鳥撮影の最終兵器がタムロン150-500mmの超望遠ズームレンズ。

 

【まとめ】

X-T5にTamron 150-500mm f5-6.7

という事で、フジの野鳥撮影用の超望遠ズームレンズ。こういう用途だとか、ああいう用途だとか、止まってる野鳥しか撮らないとかは本来関係なくて、鳥がいて、飛んでいようが止まっていようが撮りたいと思ったその瞬間が必要用途。飛翔撮影も含めてほぼ全ての状況と場所で使えるフジの野鳥撮影用レンズは現状ではTamron 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでほぼ一択なんじゃないかと思う。少し悩むとすればフジの純正レンズじゃないというところ。やっぱり色の性質はフジ純正とタムロンとで若干違う。それでもフジで野鳥を本気撮りたいと思った僕はこのレンズを手にした。

“願わくばタムロンさんにフジ用Tamron 150-500mm f5-6.7のレンズファームウェアのアップデート(より精度の高いAF調整)をソニー用と同様にしてほしい”

一応、4000万画素のFujifilm X-T5での場合の話ね。


▼過去に投稿したレビューはこちら

www.monokiri.net

 

▼フジフイルム用Tamron 150-500mm f5-6.7


▼ケンコーの82mm 使ってます。

FUJIFILM画質完全読本

 

フジの野鳥撮影『超望遠ズームレンズ』でした。

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