X-T5 / XF150-600mm f5.6-8 @ F/8 1/1250s ISO-500 600mm
その5からの続き
XF70-300mm、XF100-400mmで満足いかないとなると残るはフジフイルムの最望遠端を誇るXF150-600mm f5.6-8の超望遠ズームレンズだけだ。
このレンズはX-E4の頃に一度レンタルして撮影に出かけた事があるけど、その時の感想としては写りは良いけどAFスピードは速くない。そして昼過ぎからは望遠端で開放F8なので極端に撮影が難しくなるレンズ。X-T5に付けてみてどうなるかというところだけど。
水辺のハリオハチクイ、そしてカワセミ、猛禽類(トビ)とタイミングよく連日撮影に行って試す事ができた。
AFは遅い


まず初日に水辺のハリオハチクイの飛翔撮影をしてわかったけど、XF150-600mmのAFは遅い。というより遅すぎる。XF70-300mmはもちろん、XF100-400mmよりも明らかに遅い。トビの飛翔ではなんとかAFを合わせて撮影することは出来たけど、ハリオハチクイでは飛翔が速すぎてフォーカスさせてもAFが追い付いてこれない(ブレた写真しか撮れない)。カワセミとかも厳しく感じる。頑張れば何とかというところだけど、それより先に心が折れて「こりゃダメだ」となってしまった。基本野鳥撮影で使うなら止まった鳥を撮影する為のレンズなのかなと感じてしまう。
写りは良い
XF70-300mmの上位互換という感じで、前回試したXF100-400mmよりも明らかに写りは良い。そう古くないレンズで今風な写りが良くも悪くもクセは少ないけど単純に綺麗に写ってくれる。ただXF70-300mm同様バブルボケが背景に出やすい感じはする。背景が空とかなら良いけど、とくに雑草なんかバックだとぐるぐると泡状のボケが産まれる。XF70-300mmもバブルボケはかなり出るレンズで、そこが一番の難点だったけど、このレンズも傾向はほんと似てるなと思う。
出来ることならフジの純正レンズで決めたかった
ハリオハチクイの撮影でAFが追い付いてこれない時点で、もう自分の中ではこのレンズは選択肢から外れた。タイでは野鳥の飛翔撮影は"アクションバード"と言って、野鳥撮影=飛翔撮影というぐらい飛んでる鳥の撮影比重は大きい。カワセミなんかのブッポウソウ目の鳥も日本とかより圧倒的に種類も多く(ハリオハチクイもブッポウソウ目)、それらの鳥の池や川などの水辺での飛翔撮影はタイではとても人気で、これに応えられないカメラやレンズは格落ちしてしまう。こればっかりは国や地域の事情もあるからしょうがないけど、日本のように桜の木にメジロが止まって風情を感じるなんてシチュエーションは無いわけで、年中夏みたいに暑いタイの自然を羽ばたく色とりどりの野鳥たちを撮ってこそのタイ風情溢れる野鳥写真なわけなんで。
最終的にこのあとタムロンの150-500mm f5-6.7を買うわけだけど、出来ることならフジの純正レンズのどれかで決めたかった。70万ぐらいするXF200mm f2の単焦点レンズを除けば、25万するXF150-600mm f5.6-8も値段も立ち位置も立派にフジの最高峰のレンズの一つだと思うけど、古い型落ちレンズじゃ無いんだしもっと戦えるレンズに仕上げて欲しかった。フジフイルムユーザーである以上、持ってる持ってないは関係なく、フジのレンズが最高であって欲しいのが本音ではある。
すべてがダメだとは思わないし、用途によってはベストレンズになる人もいるだろう。ただキャノンなんかの超望遠ズームレンズは、すべての用途で戦えてるよね。そういうのをフジにも出してほしかった。こっちだって真剣なんだからさ。
その7へと続く