
「幻のキリオオナガ」
約1年ぶりにタイの野鳥王国「ケーンクラチャン国立公園」に行ってきました。野鳥シーズンにはまだ少し早かったのか、お目当てのミツユビカワセミやカザリショウビンもいなくて、野鳥自体の数も少なかったですが、タイではケーンクラチャンの山頂近くに数羽しか生息していないという幻の野鳥「キリオオナガ」に運よく遭遇することができた野鳥撮影の旅となりました。


バンコクからは車で3時間ぐらいのところにあるタイの人気の野鳥撮影スポット「ケーンクラチャン国立公園」。去年初めて行った時はシーズン真っ只中という事もあって超望遠レンズを持った人が沢山いました。今回はちょうど天の川が綺麗に見えるシーズンだったことで、山頂のキャンプ場にテントを張って星を見に来た人達が沢山いました。
今回の僕たちのケーンクラチャンはテナガザルとの遭遇から始まりました。



山に響き渡る警音のようなテナガザルの大きな吠える声。この山を知り尽くしているガイドさんを先頭にみんなで行動するのでカメラ片手に臆せず森の中に入って行けるけど、木の上にいるテナガザルたちがこの場所が自分にとっては日常ではない事を感じさせてくれます。

タイやマレーシア、ミャンマーの限られた場所にしか生息していない野生のダスキールトン。子供の頃は金色をしていて(大人になると灰色になる)ケーンクラチャンのアイコンのような希少な猿。


今回ヒロハシ科の野鳥では唯一見かけたアズキヒロハシ(前回はけっこういろいろいた)。一瞬現れてすぐ飛び立ってしまってゆっくり撮影する事はできませんでした。




ケーンクラチャンの山のふもとは沢山の蝶がいる事でも有名で、蝶を目当てに家族連れで訪れる人も多いです。人数だけで言えば蝶を見に来てる人たちが一番多かったかも知れない。


厳ついツノみたいなのを持った一応クモらしい。

セミに近い昆虫の一種らしい、、


ネットで検索したら腹のあたりがマントみたいになってて、このトカゲは飛ぶらしい。飛ぶまで待ってればよかった、、











タイ人のガイドの人も20年この山でガイドをしていて今回初めて遭遇したという(もう一人のボスの方は何度か遭遇してると思うけど)、幻の野鳥「キリオオナガ」。尾の部分がノコギリ状になったオウチュウという感じでしょうか。東南アジアと中国に分散して生息してるそうで、タイではケーンクラチャンの山頂近くに数羽生息してるのみの会いたくてもなかなか会えないスペシャルバード。
暗がりの中の木の上を素早く飛び回るので写真を撮るだけでもやっとという感じでしたが、この目で見た実際のキリオオナガは尾の部分が大分特徴的でスペシャル感がありました。去年もケーンクラチャンに来た時に2時間ぐらい山の中を歩き回って結局出会えなくて(基本会えないらしい)、今回山頂からジープで野鳥を探しに降りてる最中で、ほんと運よく出会う事ができました。初日にキリオオナガに出会えたことで今回の僕のケーンクラチャンの旅は、ほぼほぼ達成されてしまいましたが(黒ヒョウにも会いたかったけどそちらは出会えず)。






山頂のキャンプ場では深夜2時半頃に起きて、天の川の撮影準備(天の川が撮れるのは3-4時ぐらい)。キャンプ場のほとんどの人が広場に集まって天の川を撮ってた気がします。若い子たちのグループがiPhoneに三脚付けて天の川を撮っていて、横から見せてもらってたけどすごい綺麗に撮れててスマホのカメラ性能が上がったのもあるけど、色味とか画角の収め方とか若い子たちの感性もあってより綺麗に撮れてるのかなと感じました。






シロガシラモズチメドリは初めて見たかもしれません。僕がよく撮影するタイにいるトビのシロガシラトビに色がそっくりです。頭が白くて茶色い体は東南アジアに生息する野鳥に多いのでしょうか。


フジフイルムらしい写りで撮れたキバネヒヨドリ。写りだけで言えばこの日一番のお気に入り。





どちらも普段バンコクで目にするムネアカゴシキドリとは色が違います。白色した「アオノドゴシキドリ」はガイドの人たち曰く珍しいそうで、ただテントの横の木にちょこちょこ来てたのでスペシャル感はそんなにありませんでしたが、、

最後はケーンクラチャンのキャンプ場で一番目にしたエボシヒヨドリ。変わった頭の形と色した野鳥だけどタイにいるとそこそこ山の方で見かける事も多くて、あまり意識してカメラを向ける事もなくなりました、、


という事で、約1年ぶり二度目のタイの野鳥王国「ケーンクラチャン国立公園」への野鳥撮影の旅。少し時期が早かったようで(野鳥シーズンは5月ぐらい)、木の陰に潜んでる遠くの野鳥しか撮影できなかったけど、キリオオナガに会えたという事で、これ以上ない野鳥撮影の旅にはなったのかもしれません。
前回も感じた事だけど、山での野鳥撮影ではカメラやレンズの性能ってそこまで重要な要素じゃなくて(レンズの焦点距離だけは長い方が良いけど)、それよりもそこへ足を運ぶ気力とか体力が何よりも重要で、去年より一つ歳を重ねた僕は、去年よりも体力や集中力が切れるのが早かったように感じました(下山した後にカザリショウビンを探しにまた山に行くのを僕は辞退して先に帰路についた、、)。
「旅は若いうちに行け」って言葉があるけど、ケーンクラチャンに限らず、野鳥撮影でも遠出して撮影しに行こうと思ったら、少しでも体力があるうちに行った方が良いことだけは間違いないように思います。僕にはタイ南部のカオディンソーに「鷹の渡り」を撮りに行くという野鳥撮影を始めた頃からの目標があってまだ達成できてないので、今年か来年には必ず撮りに行こうと考えてます。






タイの野鳥王国「ケーンクラチャン国立公園」にて幻のキリオオナガでした。
撮影:2025年3月1-2日
このカメラとレンズで撮りました。
▼星景写真に使用したレンズとフィルター
▼旅のお供にXC15-45mm
▼去年行った時の記事はこちら
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